目次

RBDとは

レム睡眠行動異常症(REM sleep behavior disorder, RBD)は, 「夢内容に一致した異常行動(dream-enacting behavior, DEB)(=他人から見て夢内容と一致して動いているようにみえる)」を主徴候とする睡眠関連疾患として知られています。

ヒトの睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠が約 80 ~100 分で交互に周期的に繰り返されることで構成され
ています。RBDはレム睡眠中に夢に関連した発声や複雑な運動行動をきたす睡眠時随伴症です。通常レム睡眠中には筋活動は強く抑制されますが、RBD では筋活動抑制が障害されるため夢の行動化が生じます。
RBDのDEBは「大声でハッキリした寝言を言う」「何かを投げようとする素振り」「立ち上がって歩く」「ベッドパートナーに殴りかかる」など様々な、荒々しい行動異常がみられます。
また患者さんは「泥棒と格闘する夢をみた」など情動的な夢体験をしばしば訴えます

またRBDの確定診断にはビデオ同時記録による終夜睡眠ポリグラフィ(video-polysomnography , vPSG)で「筋活動の低下を伴わないレム睡眠」を証明することが必須です(=正確にはvPSGをやらないとわからない

prodromal symptomとしてのRBD

これまでの疫学研究より、RBDがαシヌクレイノパチー(パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症)の発症前駆病態として注目されています。5年で31.5%、10年で60.2%が神経変性疾患(シヌクレイノパチー)に移行するとされます。

鑑別疾患

・ノンレムパラソムニア(睡眠時遊行症など)
・睡眠時無呼吸症候群
・睡眠中のてんかん発作

検査所見

上記のvPSG以外には、MIBG心筋シンチの集積低下が報告されています

投稿者

古田 夏海

群馬県高崎市「ふるた内科脳神経内科クリニック」で脳神経内科・内科の診療を行っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です