目次

もやもや病は日本・ 韓国・ 中国・ 台湾など東アジア人に多発する原因不明かつ進行性の頭蓋内血管閉塞症です。脳の主要な動脈(内頸動脈)の狭窄や閉塞によって、代わりに細い血管が異常に発達します。この細い血管が「もやもや」した煙のように見えることから名前がついています。脳血管撮影において、 進行性に内頸動脈終末部に狭窄ないしは閉塞と、その周囲に異常血管網を認めることが特徴的な所見です。タバコの煙のような異常血管=もやもや血管と称して 「もやもや病」という名前が提唱されました。

山本修輔, 黒田敏 ブレインナーシング 40(5): 774-779, 2024より引用

もやもや病の症状

脳の血流不足による脳虚血発症型と、 脆い側副血行路の破綻による出血発症型に大別されます。男女比は約1:2で女性にやや多く、発症年齢の分布は10歳以下の小児と30~40歳代に2つのピークを示します。家族内で発症する場合もあります。

小児では熱いものを吹き冷ましたりするなどの過呼吸により一過性脳虚血発作が誘発されることがあるのが特徴的です。具体的な症状としては、手足の麻痺やしびれ、言語障害、視野障害などがあります。

脳虚血の程度が強ければ脳梗塞に至る場合もあります。脳梗塞を起こしていなくても慢性的な脳虚血により高次脳機能障害をともなっている場合もあります。

片頭痛のような頭痛を呈することがあり、二次性頭痛の鑑別として重要です。

Follow me!

投稿者

古田 夏海

群馬県高崎市「ふるた内科脳神経内科クリニック」で脳神経内科・内科の診療を行っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です