目次

レベチラセタム、ブリーバラセタムなどのラセタム系抗てんかん発作薬は、神経終末のシナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に結合することによって抗けいれん作用を発揮する、他剤とは異なる機序の抗てんかん発作薬です。ブリーバラセタムは、既存のレベチラセタムよりもSV2Aに対する選択性と親和性が高く、 副作用の軽減が期待されます。本邦では、ブリーバラセタムの経口製剤は成人に対する「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」を適応症として2024年6月に承認されました。

興奮系の神経伝達物質であるグルタミン神経内のグルタミン酸は、SV2A(synaptic vesicle protein 2A:シナプス小胞タンパク質2A)と呼ばれる箇所から放出されます。ブリィビアクトは、SV2Aに結合してグルタミン酸の放出を抑制するといった作用機序を有する薬剤です。LEVと比較し、その親和性は15~30倍強力です。このため1日あたりの投与量は、LEVが1,000~3,000mgに対しbrivaracetamは50~200mgと少ないです。このため、1日の服用錠数は2~4錠になり錠剤もLEVと比べ小型化されており、服薬の負担が大きく改善されています。

(https://passmed.co.jp/di/archives/19057より引用)

用法および用量

通常、成人にはブリーバラセタムとして1日50mgを1日2回に分けて経口投与します。なお、症状により
1日200mgを超えない範囲で適宜増減できます。腎機能による用量調節は不要です。

臨床試験

日本およびアジアで行われた二重盲検試験(EP0083) は、対象患者をプラセボ群,brivaracetam 50mg/日 投与群および200mg/日投与群の3群に無作為に割り 付けて発作減少率を検証しています。いずれの 投与群もプラセボ群と比較して発作頻度を有意に減少させ主な有害事象は傾眠・めまい・頭痛などで、有効性、安全性ともに良好な成果が得られています。

本試験では併用抗てんかん発作薬を2剤以内に絞り、過去にLEV(レベチラセタム)を服用している患者を全体の20%以下に制限しています。イタリアで行われた 1,029名(1~3剤の抗てんかん発作薬を服用)を対象と した市販後調査(BRIVAFIRST)において、LEVの使用経験がない患者の発作抑制率が22.3%に対し、過去にLEVが無効であった患者の抑制率はわずか7.1%でした。一方、有害事象でLEVの継続を断念した患者の発作抑制率は31.2%でした。BrivaracetamはLEVと同様に薬物相互作用のリ スクが少なく、忍容性が高い抗てんかん発作薬です。LEV無効例に対する有効性は乏しいが、有害事象による中止例に対しては有用な選択肢になりうると考えられます。

\ 最新情報をチェック /