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オピカポン(オンジェンティス錠)について
上記web公演会にコメンテーターとして参加しました
オピカポンについては以前の記事でも紹介したことがあります。
末梢のCOMT活性を抑制して、内服したレボドパの生物学的活性を向上させる内服薬です。
進行期パーキンソン病におけるCOMT阻害薬の位置づけということで藤田医科大学医学部 渡辺宏久先生にご講演いただきました。
ポイントとしては
・アゴニストはimpulse control disorder(男性・若年発症・アゴニスト長期使用で衝動制御障害がでやすい)、Lーdopaに比べて効果不十分であることが懸念される
・Lーdopaの神経毒性は否定されている。
・65歳以上であればLーdopa合併症発現率は大差がないというデータもある。
・ガーナでは診断と治療開始が遅れるため、Lーdopaのハネムーン期間が短い。
早期治療が遅れるとQOLが低い状態が続いてしまう。
・PDは60歳を超えると指数関数的に発症が増加する。
・高齢発症は重症度が高く、筋強剛が目立たず、寡動や姿勢反射障害が目立つ
・若年発症の方が発症時にドパミントランスポータの低下が高度(DAT低下に対する発症機転が若年者では異なる?)
・衝動制御障害は情動のジスキネジア?病的賭博・過食・パンディング(一日中つまらないことを繰り返す。)うつ病が基礎疾患にあると出現しやすい。即座核の障害が想定されている。
・ジスキネジアは低体重の患者さんででやすい
・ラサギリン開始から約3年で50%がドパミン補充療法が必要となる。
・非運動症状は良くなる場合・悪くなる場合がある。しかしながら非運動症状の出現は生活の質の改善と密接に関連するので、運動症状の改善が非運動症状の改善にも繋がる。
・オピカポンはLーdopa製剤を選ばず使用できる。
Lーdopaを5回以上内服している様な進行例でもoff時間の改善が期待できる。36%の症例で2時間off時間短縮(改善時間が少ない場合もある)。
・Lーdopa非反応例では喉に薬物が引っかかっている様なケースもある。
・非経口的にドパミン製剤を持続的に投与する治療法が多数開発中(持続皮下注・持続経口療法など)
・レボドパ製剤の使い分けとして
①Lーdopa・カルビドパ配合(10:1)
ネオドパストン メネシット
1500mg/日まで
②Lーdopa・ベンゼラジド配合(4:1)
マドパー
1日600mgまで
ベンゼラジド配合錠は消化器系の副作用が軽い可能性がある。
・スタレボは(Lーdopa・カルビドパ配合錠)1日8回まで
・内服1週間後からオピカポンは効果が期待できる。
後半はパネルディスカッションでした
オンジェンティスの安全性について意見を求められましたが、機序からするとモノアミン活性上昇による心拍数増加や不整脈などの心疾患の合併が懸念されますが、こちらは副作用の発現状況としてプラセボと比較して明らかな増加は見られていない様です。
ジスキネジア発現が増加する可能性があるので良く患者さんの状態を評価してから投与する必要があると考えられました。