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PAC/PRA比(アルドステロン/レニン比)

原発性アルドステロン症(primary aldosteronism;PA)は副腎皮質病変によりアルドステロンが自律性に過剰分泌される結果、 高血圧と低カリウム血症を呈する疾患です。 近年は約75%が正常カリウム血症であると報告されています。

片側性の腺腫と両側性過形成を呈する特発性アルドステロン症が主な病型ですが、両側性腺腫や片側性過形成などの非典型例もあります。(片側性の腺腫では低カリウム血症の合併が多い)

PAを疑う場合には、血液検査でスクリーニングを行います。健常状態において副腎からのアルドステロン分泌は、体液量の低下を感知して腎臓から分泌されるレニンの制御を受け、塩分を体内に保持し、血圧を維持するはたらきを持ちます。レニンが低値にもかかわらず副腎からアルドステロンが過剰分泌される状態を確認することで、この病気と診断されます。スクリーニング検査としては、血中のアルドステロンとレニンを測定し、アルドステロン(pg/ml)/レニン比(ng/ml/hr)(ARR)≧200となった場合、この病気を疑います。レニンは、塩分摂取過剰により分泌抑制を受ける(尿中のCl濃度低下を感知して腎臓の緻密斑細胞より分泌される)ため、塩分過剰状態では通常アルドステロンは低値を示します。従って、この病気は、塩分を過剰に摂取しているにもかかわらず副腎からアルドステロンが過剰分泌されている状態と言えます。