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GFRは一定に保たれる
血圧は変動しますが、GFRは一定に保たれています。この恒常性の維持に活躍しているのが傍糸球体装置(Juxtaglomerular apparatus : JGA)です。JGAは糸球体の根元の部分にあります(輸入細動脈と輸出細動脈にくっついています)。大まかに言うと、GFRを上げるには、輸入細動脈を開くか、輸出細動脈を絞ります。
血圧が高くなると(流れ込んでくる時間あたりのNaが多くなると)輸入細動脈を収縮させて糸球体の圧を下げます。逆に血圧が低くなると、輸入細動脈を広げて糸球体の圧を上げます(筋原反応)
濾過された原尿のCl–は近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管を通って、JGAへ到達します(JGAは遠位尿細管での尿のCl–濃度に反応します。)。Cl–濃度が高くなる場合には輸入細動脈を収縮してGFRを下げます。GFRを一定に保とうとするこの働きが尿細管糸球体フィードバックです。
JGAはNaが低下すると、レニンを分泌します(逆にNaが高くなるとレニンの分泌は減少します。このため、高食塩食を食べている場合にはレニンの分泌は抑制されます。)
上図のように、レニンはアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンⅠに変換します。アンジオテンシンⅠはアンジオテンシンⅠ変換酵素によりアンジオテンシンⅡ(AⅡ)になり、AⅡはアルドステロンを分泌させます(AⅡ自体も血管を収縮させます)。
更に下流の集合管でアルドステロンの作用によりNaを再吸収して体液量を増やします。