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解剖
腕神経叢の枝である外側神経束から直接に続く終枝です。神経は烏口腕筋を貫き、上腕二頭筋と上腕筋の間を走り、これらの枝に筋枝を与えた後に、肘関節の2-3cm上方で上腕二頭筋の外側において外側前腕皮神経となって、前腕外側部の皮膚に分布します。
筋皮神経をまとめると、筋枝は上腕前側の屈筋(烏口腕筋・上腕筋・上腕二頭筋)に分布します。
皮枝は前腕外側部の皮膚に分布します。
筋皮神経麻痺の症状
上腕の屈筋が障害されるので、肘関節を屈曲する力がなくなります。しかし、肘関節は前腕の筋(腕橈骨筋や屈筋)によって弱いけれども屈曲ができます。
上腕二頭筋が麻痺するので、前腕の回外運動は弱くなります。
原因
肩から肘に至る部分の過度な動きに起因するとされます。例として過度の運動、肘の伸展、ウエイトリフティング、ボート漕ぎ、サッカーのスローイング、睡眠中の肢位などがあげられます。
腫瘍性病変による圧迫、頚椎症の鑑別のためMRIを撮影することがあります。
治療は主に保存的に経過観察となります。
鑑別
neuralgic amyotrophy(神経痛性筋萎縮症)があげられます。特徴とされる急激かつ激烈な肩関節周囲の疼痛の有無を確認します。一般的に予後良好です。