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末梢神経障害+血液検査でIgM高値→MAG抗体関連末梢神経障害

 MAGニューロパチーは、IgM型のM蛋白血症を伴うニューロパチーの約半数を占め、感覚
性運動失調を主徴とし、四肢遠位部優位の脱髄性病変をきたす、左右対称性の感覚運動性の多
発ニューロパチーです。比較的高齢発症で慢性進行性のポリニューロパチーを呈するのが特徴です。

MAGとは

本疾患は末梢神経の傍ランヴィエ絞輪部に分布する、myelin associated glycoprotein(MAG)という糖蛋白を標的とするIgMクラスの自己抗体を病因とします。MAG自体は中枢、末梢の両方に分布しますが、主に末梢神経がターゲットとなります。

鑑別は血液疾患

M蛋白血症の原因として悪性の血液疾患が存在するか否かを鑑別することが重要です。多発性骨髄腫
や原発性マクログロブリン血症、形質細胞腫、悪性リンパ腫などの可能性につき、精査が必要になります。悪性の血液疾患があればその治療を優先し、MGUSと判断されれば、MAGニューロパチーとしての治療を行います。MGUSと診断された場合でも、原発性マクログロブリン血症や悪性リンパ腫への移行に注意が必要です。

MAGとSGPG

抗MAG抗 体 は、MAG上 のhuman-natural killer-1(HNK-1)エピトープと呼ばれる糖鎖抗
原を認識し、HNK-1はMAG以外にsulfated glucuronyl glycosphingolipid(SGPG)やP0、PMP22
などの髄鞘抗原上にも存在します。したがって、抗MAG抗体はSGPGやP0、PMP22にも交差反応
性を有しうることが知られています。

検査所見

本疾患は、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)と臨床所見、電気生理学的所見が類似します。感覚優位の脱随型ポリニューロパチーの所見ですが、Conduction blockは通常見られません。

治療

ステロイド、IVIg、リツキシマブ、血漿交換療法、免疫抑制剤、インターフェロンなど

投稿者

古田 夏海

群馬県高崎市「ふるた内科脳神経内科クリニック」で脳神経内科・内科の診療を行っています。

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