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人形の眼現象=陽性が正常
ルーブル美術館でモナリザの正面に立つと、モナリザはこちらを見ているように感じると言われます)。混み合っているので斜めから見たとしても、同様にモナリザと視線が合うと言われます。絵をみながら多少左右に動いても、モナリザの目は追いかけてくると言われます。
昔の眼の動く人形に由来して、頭を左右に振ると眼が振った方向と反対方向に動く、つまり眼が合い続ける状態が人形の眼現象(doll’s eye phenomenon)陽性と呼びます。脳幹反射であり、脳幹機能が保たれていれば陽性となります。
人形の眼試験と局在診断
昏睡患者では眼球運動指示試験が施行できないため、眼位変換眼球反射(oculocephalic reflex)を利用して行うのが人形の眼試験です。(さらに鋭敏な方法がカロリックテスト)
人形の眼試験では、開瞼保持し頭部を素早く左右に回転して回転方向と対側に偏視すれば脳幹機能は正常です。偏視が誘発できなければ脳幹注視中枢(傍正中橋網様体か外転神経核)が病巣と診断できます。
垂直性眼運動も頭部を前後に伸展屈曲して眼運動が下転上転するかを確認します。上転下転がみられないときには中脳吻側iMLF・カハール間質核病変が類推されます。