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TLSとは
TLSとはTotally Locked-in Stateの略であり、「外眼運動系をふくめて臨床的に随意運動のすべてが麻痺してコミュニケーションがとれなくなる状態」と定義されています。
TLSと混同しやすい言葉に、Locked-in syndromeがあります。脳幹梗塞などにより、眼球運動とまばたき以外のすべての随意運動が障害されますが、感覚は正常で意識は清明である状態を指し、眼球運動とまばたきによる意思疎通が可能であることに対して、TLSでは眼球運動も途絶えてしまうため、意思疎通ができない「完全」な閉じ込め症候群と称されています。
ALSとTLS
人工呼吸器装着ALS患者の10-20%程度でTLSとなることが報告されています。
一方、ALS患者の気管切開・人工呼吸器装着後には、従来ALSでは生じないといわれていた陰性症状である、眼球運動障害、感覚障害、排尿障害、褥瘡の陰性四徴候が出現しうることがわかってきています。