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外来で1日尿蛋白を推定する方法
尿蛋白量を正確に評価するには、24時間蓄尿による1日尿蛋白量を測定する必要があります。ただ入院していないと蓄尿検査は困難です。そのような場合、24時間畜尿ではなく、外来で採取した随時尿を用いる方法があります。
1日尿蛋白量(g/日)≒尿蛋白定量(mg/dL)÷尿中クレアチニン(mg/dL)
尿蛋白濃度(mg/dL)と尿中クレアチニン濃度(mg/dL)を同時に定量して、その比を計算します。実はこの比が24時間蓄尿の一日尿蛋白量(g/日)とほぼ同等であることがわかっています。
尿蛋白/クレアチニン比といい、単位はg/gCrです。1gのクレアチニンが排泄されるときに尿蛋白がどれくらい排泄されているかを示します。
クレアチニンは筋肉に存在するクレアチンの終末代謝産物です。体格にもよりますが、1日に排泄される量は約1gです。したがって尿蛋白/クレアチニン比は一日あたりの尿蛋白量の目安となります。
(レジデントのための腎臓教室より引用 P43)
尿蛋白/クレアチニン比が0.3~0.5の場合、尿蛋白排泄量は0.3~0.5g/日程度と推定できます。
クレアチニン補正が必要な理由
尿蛋白の検出に用いる試験紙法は定性試験であり、尿中蛋白濃度を反映します。
しかしあくまでも濃度を反映するので、濃縮尿では偽陽性に、希釈尿では偽陰性になることがあります。
クレアチニン補正を行うことで尿蛋白量をきちんと定量化することができ、正常なのか有意な蛋白尿なのかを鑑別するためにもクレアチニン補正は重要です。
1日尿蛋白量の正常値は150㎎/日未満が正常範囲であり、尿蛋白陽性の場合、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、ネフローゼ症候群などの腎疾患の可能性があります。