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ドパミンの原料はチロシンです。チロシンはチロシン水酸化酵素(throsine hydroxylate:TH)の働きでL-ドパに、L-ドパはアミノ酸脱炭酸酵素(aromatic L-amino acid decarboxylase:AADC)の働きでドパミンになります。

→THはカテコラミン(ドパミンなど)生合成の律速酵素になります。パーキンソン病内服治療薬は末梢組織→中枢神経の血液脳関門を通るL-dopaを内服します。消化管で分解されないように、ドパミン脱炭酸酵素阻害薬(decarboxylase inhibitor:DCI)が含まれます。

末梢で主にL-dopaを分解するのは①AADCと②COMTになります

ドパミンは中脳の黒質にあるドパミンを作る細胞で作られ、突起を通り線条体まで運ばれ、ここで突起の先端に貯蔵されます(シナプス小胞に閉じ込められる)。

→パーキンソン病では黒質のドパミン細胞が減少する(黒質から線条体へ分布するドパミン神経が変性して減少する)が、ドパミン受容体は保たれるため、ドパミン補充療法が奏功します。

ドパミンは必要に応じて突起の先端から分泌され、線条体の細胞にあるドパミン受容体に結合して情報を伝えます。仕事を終えたドパミンはドパミンを作る細胞の突起の先端に取り込まれて再利用されるとともに、シナプス間隙に存在するモノアミン酸化酵素(MAO)と呼ばれる酵素によって分解されます。

→黒質線条体ニューロンから分泌されたドパミンの分解酵素がMAO-B/MAO-B阻害薬はシナプス間隙ドパミン濃度を上昇させる

線条体ではドパミンのほかにアセチルコリンという 神経伝達物質 があって、両者はバランスをとっています。パーキンソン病ではドパミンが減少するため、相対的にアセチルコリンの機能が過剰になります(抗コリン薬を治療に使う理由)。

ドパミンはドパミンβ水酸化酵素の働きでノルエピネフリンになります。パーキンソン病が進行すると、ノルエピネフリンも不足し低血圧などの原因になります。

チロシンの代謝経路(ドーパミンの合成)

(中枢)
チロシン(食事や体内合成で供給)
↓ チロシン水酸化酵素(TH)
L-ドーパ(レボドパ)
ドーパ脱炭酸酵素(DDC)
ドーパミン
↓ ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)やエピネフリン(アドレナリン)に変換されることもある

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投稿者

古田 夏海

群馬県高崎市「ふるた内科脳神経内科クリニック」で脳神経内科・内科の診療を行っています。

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