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パーキンソン病治療におけるMAO-B阻害薬の位置づけ
web講演回で順天堂大学の斉木臣二先生の講義を勉強する機会がありました。
要点としては
・自律神経は発症にも関与する(虫垂切除した場合パーキンソン病にかかりづらい?)
早期から自律神経が痛みやすいと考えられている(RBD・嗅覚低下・抑うつなど)。
・αシヌヌクレインが自律神経→迷走神経を逆行→延髄から全脳に広がる(Braak仮説)
・リハビリHR120-140程度の治療を30分程度行うと良い(高負荷の運動)JAMA Neurol 2018
・65歳以下発症ではL-dopaによる運動合併症の発現リスクが高い。
・安静時振戦 L-dopa・アゴニストも有効 トリフェキシフェニジル(THP)やβ-blockerもよい
・流涎や尿意切迫は抗コリン作動薬がよい
・Motor Fluctuations→黒質神経細胞の変性は止まらない セロトニン神経にとりこまれたドパミンの無秩序な放出も関係する。治療域も進行するとどんどん狭くなる。
・カフェインはPD進行予防効果を持つ。(エスプレッソコーヒーは100mg/杯 1日2-4杯)
カフェイン代謝変化がパーキンソン病で起こる(PSP・MSAでも起こる)/パーキンソン病ではカフェインの吸収が下がる可能性有り(吸収障害)→経口投与では限界があるか?(腸内細菌叢変化など)
・サフィナミド 四週間でoff時間改善(効果発現が早い)1.5時間程度off短縮
・痛みへの効果が本剤の特徴→50mgないしは100mgでより効果が期待できるか
・抑うつに改善も期待できる
・抑うつ・痛みに対しては投与開始後12週程度の観察期間が必要ではないかと考えられる。
・ラサギリン アダージョ研究 早期PDにエビデンス
・MAO-B追加するなら、サフィナミドの方が速く聞く(4週)・ラサギリンは徐々に効いてくる