高P血症

高P血症は慢性腎不全がほとんどです。通常eGFRが30ml/min/1.73m2を下回ってから血清のPが上がってくるので、腎機能が正常の場合には別の原因を考えた方が良さそうです。
腎機能が正常の場合には、CaとPはセットで考えるべきものなので、Caも測って考えます。PTHはPを下げて、Caを上げるホルモンなのでこれが低下した場合には高P血症になりえます(同時に低Caになります)。甲状腺手術の際に副甲状腺をとってしまった場合などには起こりえます。

特殊な病態で起こる高P血症として
・横紋筋融解症
・腫瘍崩壊症候群
があげられます。何らかの原因で細胞が大量に壊れた場合に、細胞内のPが一斉に血中に出てきて高P血症になることがあります。また、この場合、高尿酸血症血症をきたすことがあり、この場合には尿酸代謝薬のラスブリカーゼ(ラスリテック®)が使われます。

Pのマネジメントについては
急性腎障害に伴う高P血症→AKIに対する治療
慢性腎不全に伴う高P血症→まずは生活指導

外来での高P血症を診察するばあい、腎機能・Ca値をチェックして、となりますが通常Pが上がるような状態は慢性腎臓病ステージ4(eGFR<30ml/min/1.73m2)なので腎臓内科と連携して診療するのが望ましいです。

低P血症

低P血症の原因は次の3つに大別されます。
①食事からのP摂取が少ない場合(全身状態不良やアルコール中毒)
②尿からのP排泄が多い場合
③PTHやビタミンDなどの異常で起きている場合

腎臓から排泄亢進の原因としては
・原発性副甲状腺機能亢進症→高Caが必発
・Fanconi症候群→原発・薬剤性 血糖正常なのに尿糖が出たり、汎アミノ酸尿症になります
・腎移植後
・鉄剤(フェジン)静注→近位尿細管からの吸収を阻害して低P血症を引き起こすと言われます
・FGF23(Fibroblast Growth Factor®)の増加→FGF23は骨から分泌され、腎臓や腸管からのP再吸収を抑制して、Pを下げるように働きます。ブロスマブ(グリースビータ®)というFGF23抗体がFGF23関連低P血症性くる病・骨軟化症に対して適応があります。
 低P血症の治療は、急速に栄養を投与するとリフィーディング症候群を起こすことが有り、ゆっくり治すのに越したことはありません。

高Mg血症

ほとんどがMgの摂取過剰です。
腎臓から排泄されるので、腎不全で排泄が落ちた状態で、Mgの負荷になる状況(Mgの大量投与)が起きます。Mgを含んでいる薬剤としては、下剤の水酸化マグネシウム、子癇や心室細動を止めるときに使われることがあるマグネシウムの静注などがあります。

低Mg血症

難治性の低K血症、低Ca血症をみたら低Mg血症を疑うのがポイントです。低Mg血症が治らない場合にはK、Caが正常化しにくいことがあります。

MgのINが不足する原因としては、摂取不足、吸収障害、PPIなどがよく知られており、慢性アルコール中毒患者はしばしば低Mg血症です。
Outが増える病態としては、圧倒的にループ利尿薬、サイアザイド系の利尿薬の使用が多いです。あとは化学療法でのシスプラチンの使用が圧倒的に低Mg血症を起こす頻度が高いです。免疫抑制剤のタクロリムス、シクロスポリン、ニューモシスチス肺炎(PCP)治療薬のペンタミジン、抗ウイルス薬のホスカルネットは低Mgを起こすことがあります。

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投稿者

古田 夏海

群馬県内の総合病院で脳神経内科医として勤務しています。

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