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他人の手徴候には3つの病型がある
①Posterior variant
「背中に手を回し、左手を右手でつかんだ時に左手が自分のものでは無いと感ずる現象」(一種の半側身体失認)
1972年の原著では、フランスのBrionらが脳梁後部病変(脳腫瘍)で一種の半側身体失認を呈した症例にこの用語を用いたのが始まりです。
「後方型(感覚性)」とも定義され、後大脳動脈領域や頭頂葉領域の病変で出現します。
②Callosal variant
「右利きの患者の左手が他人のもののように非協力的に振る舞う」「左手がある程度まとまりがあるものの特定の目的無く不随意に動く現象」
1979年にalien handとして、運動面の機能異常に対してこの用語を用いるようになり、一般的な定義となりました。
「前方型(運動型)」で脳梁(体部)に原因があり、拮抗失行(対側の手の行為を妨害する)とも呼ばれます。
③Frontal variant
右手(利き手)の前頭葉徴候で強制把握や、道具の強迫的使用がみられます。
主な病変は左前頭葉内側面などです。
背景疾患
皮質基底核変性症(CBD)、脳梗塞、脳腫瘍などの背景病態が原因となることが知られています。