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オミクロンはBA.1とBA.2に分かれる
第6波の原因(第4波はアルファ第5波がデルタ)です。オミクロンはスパイク蛋白に30ヶ所程度のアミノ酸置換を有します。感染伝播性が高く、モノクローナル抗体の効果が減少しています。重症化リスクは低下しています。
オミクロンの下位系統でBA.1系統とBA.2系統があります。
BA.1は潜伏期間が3日とデルタより短いのが特徴です。咽頭痛が多く、嗅覚味覚障害が少ないこと、肺炎が少ないことが知られています。
BA.2は2022年4月より日本の主流になっています。実行再生産数(感染伝播性)はBA.1の1.18-1.4倍とされます。
mRNAワクチン2回接種による感染予防効果は、デルタの場合より低く、2回目接種2ヶ月後以降急速に減衰します。重症化予防効果は六ヶ月程度は期待できますが、デルタと比較すると低いです。ブースター接種によって効果は再上昇しますが、二ヶ月以降で効果は減衰します。mRNAワクチンの効果はBA.1およびBA.2ともに同等とされます。
抗SARS-COV-2モノクローナル抗体
・カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブⓇ)
BA.1に対する中和活性は著明に低下しており、効果が期待できないことが知られています。
・ソトロビマブ(ゼビュディⓇ)
BA.1では中和活性維持 BA.2では有効性低下しています。
レムデシビル(ベクルリーⓇ)
オミクロン株に対しても効果が非常に高いことが知られています。
BA.2への効果も期待できます
モルヌピラビル(ラゲブリオⓇ)
他の薬剤が使用できない場合に考慮することになります。
ニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッドⓇ)
NIHガイドラインでは第一選択になっています。重症化予防効果は約90%と非常に高いです。
ウイルスの体を作るプロテアーゼを阻害することで、ウイルスの増殖を抑え重症化を防ぐ働きがあります。