COVID-19治療薬

Therapeutic Research 43(1): 9-18, 2022より

COVID-19治療薬は

①ウイルスの侵入を防ぐ:カシリビマブ イムデビマブ(ロナプリーブ)/ソトロビマブ(ゼビュディ)

②ウイルスが増えるのを抑える:レムデシビル(点滴)/モルヌピラビル(ラゲブリオ)/ニルマトレルビリ・リトナビル(パキロビット)

③ウイルスによる炎症を抑える:デキサメタゾン/バリシチニブ/トシリズマブ

に分類できます。

このうち③は軽症例や発症早期には投与しません(③は免疫調整薬)。

①は抗体療法と呼ばれ、オミクロン株にはあまり効果が乏しいといわれています(変異のため)。

②の経口の抗ウイルス薬は初期のウイルス増殖期に使用します(酸素濃度低下がないケース)。②を中心に本日は解説します。

新型コロナウイルス 経口薬の作用機序

新型コロナウイルスは細胞の中にAC2受容体を介して侵入してきます。侵入したウイルスが自分のウイルスRNAをヒトの細胞の中で増やして、その際にRNAポリメラーゼを介して自分のRNAを増やします。そのRNA(ポリメラーゼ)を翻訳して、ウイルスの構成成分である蛋白質を作っていきます。

経口薬は

①RNAポリメラーゼを阻害 ラゲブリオ

②3CLプロテアーゼを阻害 パキロビット (塩野義製薬も新規薬開発中)

の2つに分類されます。

陽性者全員には投与の必要が無い

経口薬は対象はすべて

重症化リスクがある症例/ワクチン未接種者

となります。治験は軽症者を対象に行われています。

まずはパキロビットを検討する

パキロビットは臨床試験において89%の重症化を防ぐ効果が示されています。

ラゲブリオは30%にとどまります。催奇形性の問題あり、妊婦は投与が禁止されています。

パキロビットの問題

1)薬剤相互作用

220210 パキロビッド承認プレス (mhlw.go.jp)

2)腎機能障害

eGFRが30未満では投与不可

eGFR30-60では減量して投与することになります。(ニルマトレルビル錠1回1錠(150mg)、リトナビル錠(100mg)1回1錠を同時に1日2回、5日間服用)

eGFR60以上(かつ成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児)ではニルマトレルビル錠1回2錠(300mg)、リトナビル錠(100mg)1回1錠を同時に1日2回、5日間服用します。

投稿者

古田 夏海

群馬県高崎市「ふるた内科脳神経内科クリニック」で脳神経内科・内科の診療を行っています。

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