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片頭痛慢性化のメカニズムは完全には明らかになっていません。しかしながら頭痛頻度が上昇していることは疼痛発生閾値の低下が起きていることを示し、 緊張型頭痛様の頭痛が生じていることは疼痛発生閾値が低下した受容野の範囲が頭頸部筋膜へも拡大していることを示唆しています。このような状況は、中枢性感作(CDS:Central Sensitization)が成立しているために起きていると推察されます。
頚部痛(Neck Pain)
片頭痛の人はそれ以外の人より肩こりを持っている人が多いことが知られています。70%の人で頚部痛(neck pain)を認めると言われます。
肩こりは頭痛が慢性化しているサインである可能性があります。
中枢感作の特徴
・痛みの増強
もともとの痛みが長引き、過剰に強く感じるようになる。
・痛みの範囲が広がる
最初は局所的な痛みだったのに、徐々に周囲へ広がる。
三叉神経脊髄路核レベルで中枢性感作が成立すると、頚部の痛みや肩こりが生じる。
・本来痛みを感じない刺激でも痛みを感じる(アロディニア)
軽い触れただけで痛みを感じる。
視床へと感作が拡大すると、四肢体幹などへもアロディニアが観察される。
・刺激がなくても痛みを感じる(自発痛)
何もしていなくてもズキズキ痛む。