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片頭痛は小学校低学年でもみられる

下の図は頭痛発症年齢と性別分布を示したものです(高校生を対象に男性257例、女性405例を調査)。

日本人小児では片頭痛の有病率は中学生で4.8%(男性3.3%女性6.5%)、高校生で15.6%(男性13.7%女性17.5%)、緊張型頭痛の有病率は高校生で26.8%(男性23.0%女性30.6%)というデータもあり、決して少なくはありません。
発症はかなり早い場合も多くみられます。

子どもの心とからだ 日本小児心身医学会雑誌 24(4): 414-415, 2016より引用

小児片頭痛の特徴

こどもの片頭痛の基本的特徴として
①大人の片頭痛と比較して持続時間が短い1~72時間 大人は4~72時間)
両側性で痛みの分布が緊張型頭痛に近い

という特徴があります。

また、小児における後頭部痛はまれであるため、小児が後頭部痛を訴えた場合は器質性疾患(二次性頭痛)を考える必要があります。

さらに重要な事は、頭痛とは一見関係の無い周期性嘔吐症候群腹部片頭痛(腹部正中の痛みを繰り返す)、小児良性発作性めまい(繰り返し起こる短時間の回転性めまい発作が特徴の疾患で、発作は前触れなしに起こり自然に軽減する)など、小児周期性症候群と言われる頭痛と関係ない症状が出現し、不登校の原因となることがあります。
発作間欠期は全く正常である一方、周期性が特徴であり、周期は予測可能です。

治療

小児片頭痛の急性期治療の第一選択薬は

①イブプロフェン(ブルフェン
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。

ブルフェン顆粒20% (rad-ar.or.jp)

②アセトアミノフェン(カロナール

トリプタンの使用を考える場合
スマトリプタン点鼻薬(イミグラン)やリザトリプタン錠(マクサルト)を用います。
(12歳 40kg以上の小児には成人と同量投与)

予防薬は抗てんかん薬のトピラマートやバルプロ酸が有効です。
トピラマートは初回量15-25mg就寝前1回より開始し、50mgを1日2回まで増量します。