環・小指のしびれを主訴とした疾患のなかで、肘部において尺骨神経が慢性に摩擦や牽引・圧迫
などにより障害を受けて麻痺を発症したものを肘部管症候群(cubital tunnel syndrome)といいます。
そのうち、幼小児期に上腕骨遠位部骨折の既往があり、十数年〜数十年後に同様の麻痺を生じるも
のを特に遅発性尺骨神経麻痺(tardy ulnar nervepalsy)といいます。最も多い原因としては、不適切な治療による上腕骨外顆骨折後に偽関節(骨がくっつかず治らない)となった外反肘変形によるものが知られています。