本日パーキンソン病のwebセミナー(武田製薬)に参加しました。

以下に要点を記載します。

・COVID-19パンデミックにより、パーキンソン病患者は不安などの精神的ストレスや活動低下の影響を受けている。

・コロナ禍では、運動療法や社会活動を行っていても(活動的であっても)パーキンソン症状(運動・非運動症状ともに)が悪化することがある

・その原因は精神的ストレスが考えられる。(しばしばコロナ禍でPD患者さんが不安を感じている。特に大きな理由としては「受診ができないかもしれない」という不安である。これは遠隔医療により精神的不安やストレス緩和などの心理的サポートが期待できるかもしれない。運動症状の把握や遠隔リハビリテーション(具体的運動指導)なども今後期待できる。)心理的ストレスはパーキンソン症状悪化と関連する。(気分障害・睡眠障害の増悪・運動習慣や生活習慣の増悪でパーキンソン病が増悪する。)

・運動療法は二次的な合併症を防ぐことが従来役割として考えられていたが、リハビリ・運動により神経保護やさらには症状の進行そのもの(α-シヌクレインの凝集)が防止できるかもしれない。

・動物実験でも神経毒である6OHDA処理したラットで、運動を行った場合でTH細胞(ドパミンを生成するチロシン水酸化酵素陽性細胞)の脱落が減少することが確認されている。ミトコンドリア変性に対する抑制効果も運動で期待しうるかもしれない。

・運動には抗不安作用があるので、パーキンソン病患者さんの不安症状改善が期待しうる。

・COVID-19では嗅覚異常と味覚異常の頻度が大変高い。中枢への侵入経路は嗅球を通じてないしは経気管的に肺から中枢に感染する経路が想定されている。

・COVID-19感染を契機にパーキンソン病(やパーキンソニズム)が発症する危険性が示唆されている。注意して見守る必要がある。

・COVID-19感染後も嗅覚障害の残存症例では、嗅球の萎縮と嗅粘膜の肥厚が指摘されている(Eur J Neurol 2020)

・運動の継続ができないと非運動症状全般(うつ・不安・痛み・疲労・睡眠不足)が増悪する。

・COVID-19感染に伴う腸内細菌や腸管の変化が、精神症状を増悪させている可能性も否定できない。

・発声発話からCOVID-19を予測するという論文がNatureからでている(Amazonのアレクサを用いて予測→81%の感度)

PDQ-39による患者さんへの質問形式による非運動症状スケールでは、ラサギリンで有意差をもって症状改善を確認できた。

・うつ・不安症状が強い人にドパミンアゴニストを処方すると衝動制御障害(impulse control disorder; ICD)出現が懸念されるため、特に若い患者さんでは注意が必要。病的賭博や性欲亢進など。

・L-dopaは300-400mgで効果の「踊り場」ともいうべきステージが存在する。この量を超えるとジスキネジアなどの合併が危惧されるので、アゴニストやMAO-B阻害薬などの使用を考慮する。

・第三のMAO-B阻害薬であるサフィナミドは適応は「L-dopa含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるwearing-off現象の改善」となる。

・リハビリの意欲があまり高くない患者さんにはアパシーなどを除外した上で、家族をまきこんだり、実際に運動した記録をノートをつけさせて確認したり、実際に一緒にラジオ体操を外来で一緒にしたりなどのモチベーションをあげる指導が大切。

・電子カルテに非運動症状を登録しておいて外来の際にチェックできるようにしておくとよい。

・事前質問は良い方法だが、ある程度症状を把握しておいて症状にみあったスケールを渡して記入してもらうなどの工夫が必要。

Follow me!

投稿者

古田 夏海

群馬県内の総合病院で脳神経内科医として勤務しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です