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グルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子とは

近年、ゴーシェ病の原因遺伝子であるGBAの変異が、 PD発症の最も強いリスクであることが報告されました。 GBAはPDの病態機序の解明と治療法開発に極めて重要な因子と考えられています。

ゴーシェ病とは

ゴーシェ病はリソソーム病の一つで、リソソーム酵素であるグルコセレブロシダーゼをコードするGBA遺伝子の変異により基質であるグルコシルセラミドと呼ばれる糖脂質が蓄積し、肝脾腫、血球減少、骨病変、神経症状などを来す常染色体劣性遺伝性の神経難病です。(単球系細胞に糖脂質が蓄積するとゴーシェ細胞と呼ばれます)
このうち成人発症型の一部の症例では、L-dopaに反応性のパーキンソニズムを呈することが知られています。

ゴーシェ病の病態 The Lipid Vol30(4)2019より引用

PD発症に至るメカニズムは不明


パーキンソン病発症に至るメカニズムは、変異型グルコセレブロシダーゼが蓄積することによるものか、酵素活性の低下によるものか議論のあるところであり、GBA遺伝子の変異によってPD発症に至る分子レベルでの詳細は現在明らかではありません。