二次進行型の多発性硬化症治療薬・メーゼント

二次性進行型の多発性硬化症治療薬・メーゼント錠(0.25mg・2mg)(一般名:シポニモドフマル酸塩)を発売した。二次性進行型に対して進行を遅らせる有効性が証明されており、1日1回の経口投与で用います。(従来の二次進行型MSで保険適応が通っているのはインターフェロンβのみでした。)

多発性硬化症の分類

多発性硬化症(multiple sclerosis; MS)は臨床経過に基づき、急性増悪(再発)と寛解を繰り返す再発寛解型(relapsing-remitting MS; RRMS)、RRMSとしてある程度経過した後に急性増悪の有無にかかわらず障害が徐々に進行する二次性進行型(secondary progressive MS; SPMS)、発症時から急性増悪がなく進行性の経過を呈する一次性進行型(primary progressive MS; PPMS)の3病型に分類されます。メーゼントはSPMSに用います

MS FRONTIER 2(1): 30-34, 2013より引用
MS FRONTIER 2(1): 30-34, 2013より引用

MSの病態は、初期の炎症が優位の状況から、徐々に神経変性の比重が高くなると考えられています。従来用いられていたインターフェロンβは、主に炎症期に効果があると考えられています。

メーゼントの作用機序

メーゼントは、S1P1及びS1P5受容体に選択的に結合するS1P(スフィンゴシン-1リン酸)受容体調整薬です。リンパ球はS1P濃度勾配に従ってリンパ組織より移出するのですが、S1P1受容体(リンパ球・中枢神経に高発現)にアゴニストとして結合することにより、S1P1の内在化→S1P1受容体の発現を低下させます。S1Pの濃度が下がることで、リンパ球がリンパ節から移出することを防ぎ、リンパ球が多発性硬化症患者の中枢神経系(CNS)に移行することを防ぎます。これにより、抗炎症作用を発揮します。(ちなみにS1P5は脾臓などに高発現します)

CYP2C9遺伝子検査が必須

メーゼントは、遺伝子多型のある CYP2C9 で主に代謝されることから、CYP2C9遺伝子型の違いにより患者への暴露量に違いが生じることが想定されている。このため治療開始前に CYP2C9 遺伝子型を確認する検査が必須で、CYP2C9の遺伝子型に応じて、同剤の漸増投与後の維持用量を患者ごとに調整することになっています。

2021年1月よりCYP2C9遺伝子検査が保険適応となりました。

 

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