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破傷風
原因菌(病原微生物)Clostridium tetaniは世界中の土壌に分布しています。ヒトからヒトへの感染はありませんが、土の中に破傷風菌が居て、汚染した外傷によって体内に入って感染を起こします。
日本でも年間100例ほどの報告があります。
発症すると致死率は20-50%に達する、非常に致死率が高い疾患です。破傷風トキソイド(Td)を打つことで、各個人が防御することが必要です。
3種混合ワクチン(DPTワクチン)
ジフテリア(Diphtheria)、百日咳(Pertussis)、破傷風(Tetanus)の3つのトキソイドおよびワクチンが混じった3種混合ワクチン(DPTワクチン)を乳幼児期に合計4回接種します。これにより破傷風の基礎免疫を獲得します。
しかしながら破傷風免疫は年々低下していきます。以後10年毎、再び免疫を高めるブースター接種が必要になります。定期接種としては11歳時の第2期接種(DT)が最後になります(11から13歳未満に接種する)。その後も10年毎のブースター接種が望ましいです。
DPTワクチンが定期接種として導入されたのは1968年のことです。よって、それ以前の生まれの人は、破傷風基礎免疫を有さない(=破傷風リスクが高い)こととなります。
接種時期
①基礎免疫のない方
昭和43年(1968)より3種混合ワクチンの予防接種が全国的に開始されたため、それ以前に出生している人は 破傷風毒素に対する抗体を有していません(=基礎免疫がない)。
基礎免疫のない人は、3回接種が必要です。1回目0.5mL を皮下又は筋肉内に注射します。2回目は 3~8週後、3回目は2回目から6ヶ月以上の間隔をあけて接種します。
②追加接種
乳幼児期のDPTワクチン、第2期のDT(破傷風、ジフテリア)を11-13才未満の時に接種した場合、基礎免疫を有します。接種して10年間(20代前半まで)は免疫がありますが、以降は10年毎に1回追加接種をする必要があります。
過去に破傷風トキソイドの注射を3回受けて基礎免疫のある人は 1回追加接種をすれば大丈夫です。