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肺炎球菌ワクチンは2種類ある
①13価ワクチン PCV13(プレベナー13®)
②23価ワクチン PPV23(ニューモバックスNP® )
どちらも不活化ワクチンです。
両者ともに肺炎球菌の莢膜に対するワクチンです。カバーする血清型が23種類のニューモバックス、13種類のプレベナー13という違いがあります。
プレベナー13は無毒化変異ジフテリア毒素をキャリア蛋白として結合する結合型ワクチンです。キャリア蛋白が結合することで抗原性が高まり、T細胞を活性化します。
T細胞、B細胞両方で免疫の獲得が可能です。T細胞依存性の免疫反応により乳幼児でも十分な抗体産生が誘導できます。生後二ヶ月から接種することができます。
ニューモバックスNPは、T細胞の免疫は獲得できず、B細胞の免疫のみとなっています。
T細胞の免疫が獲得できないことから、永続的効果が期待できず再接種が必要になります。
小児はB細胞の免疫が未熟なため効果が期待できません。
PCV13は任意接種、PPSV23は定期接種の対象となっています。
接種方法の違い
①沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13):小児では皮下注射 高齢者は筋肉注射
②高齢者用の肺炎球菌ワクチン(PPV23):皮下注射、筋肉注射どちらも可能ですが、高齢者は原則筋肉注射を行います。
小児の肺炎球菌ワクチン
小児では、鼻咽頭で保菌している肺炎球菌の血清型に対するワクチン接種による免疫の獲得が低いことが知られています。また、生後3,4ヵ月~2歳では免疫がほとんど無い(経胎盤免疫の低下)ので重症化する可能性があります。重症化する前での早期での接種を行います。(生後二ヶ月より早期のワクチン接種の有効性は証明されていない)
65歳以上の高齢者における肺炎球菌ワクチン
肺炎は日本人の死因第5位、肺炎による死亡者の98%が65歳以上です。
定期接種の対象者は65歳以上(5歳刻み):対象は今までにニューモバックスNP(PPSV23)を接種したことがない方になります。あるいは65歳もしくは60~65歳で心機能、呼吸機能、肝機能障害もしくはHIV感染による免疫機能低下のある方になります。
肺炎球菌ワクチンの接種間隔
①ニューモバックスNP(PPV23)→プレベナー13(PCV13)の場合は1年以上の間隔が必要
免疫機能が低下している方などが対象です
②プレベナー13(PCV13)→ニューモバックスNP(PPV23)の場合は6カ月~4年以内の間隔が必要
③ニューモバックスNP(PPV23)→ニューモバックスNP(PPV23)の接種間隔は5年以上となります。
23価ワクチン公費(定期接種)は1回のみ
ニューモバックスNP(PPV23)は初回のみ公費(定期接種)、次回以降は任意接種となります。