目次
パーキンソン病でも認知症を合併することがある
パーキンソン病の患者さんは高齢者が多いので、認知症を伴うことがあります。
神経伝達物質であるドーパミン以外の神経伝達ホルモン(アセチルコリン・ノルアドレナリン・セロトニン)も障害されるため、と考えられています。
パーキンソン病と診断を受けた時点で10-20%が軽度認知機能障害を有するとされます。
日常生活に支障をきたさない軽度認知機能障害の方が認知症になる割合は1年間に10%程度とされます。
パーキンソン病と診断されて平均しておおよそ10年で認知症を発症したという報告もあります。
パーキンソン病発症前から認知症がある場合・パーキンソン病発症と同時あるいは発症から1年以内に認知症を発症した場合は、レビー小体型認知症と診断されます。
認知症の予防には運動が良い
運動で認知症が改善したというデータはたくさんあります。
これは運動によるドパミン受容体機能改善や脳血流改善が機序としては想定されています。
パーキンソン病と診断されても、積極的に外に出て、脳に刺激を与え、体をしっかり動かすことが大事です。
パーキンソン病の進行予防には早期からのエクササイズは必須になってきていますが、認知症の予防にも効果が期待できそうです。
認知症を発症すると、幻覚や妄想などの周辺症状が強くなることがあるので、薬物治療は原則としてレボドパ製剤中心で治療を行います。
参考文献
Goldman JG, Holden SK, Litvan I, McKeith I, Stebbins GT, Taylor J-P. Evolution of Diagnostic Criteria and Assessments for Parkinson’s Disease Mild Cognitive Impairment. Mov Disord. 2018;33(4):503–510.