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1-3-6-12 rule

心原性脳塞栓症の急性期では再発率が5-14%と高く、この時期に抗凝固療法を行えば再発率の低下が期待できます。

一方、閉塞血管の再開通と関連した出血性梗塞もこの時期にみられることから、早期の抗凝固療法導入でかえって病態を悪化させてしまうと言う懸念もあります。

脳卒中ガイドライン2015では、発症から2週間以内の投与を目安とし、大梗塞例・血圧コントロール不良例・出血傾向のある患者では投与開始を遅らせざるを得ないと記載されています。

欧州心臓律動学会(European Heart Rhythm Association: EHRA)では、 1–3–6–12 Day rule を提唱しています。

一過性脳虚血発作では 1 日後

脳梗塞軽症例(NIHSS<8点未満)では3日後

脳梗塞中等症(NIHSS8-15)では6日後

脳梗塞重症例(NIHSS16点以上)では12日後

からの抗凝固薬投与を推奨しています。

ただしエビデンスに基づくデータではなく、エキスパートオピニオンとして提唱されているので留意する必要があります。

投稿者

古田 夏海

群馬県高崎市「ふるた内科脳神経内科クリニック」で脳神経内科・内科の診療を行っています。

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