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IDCA=CCAの新しい用語
脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration SCD)は孤発性と遺伝性(家族性)に大別されます。 孤発性の中には、多系統萎縮症の他には、 皮質性小脳萎縮症(cortical cerebellar atrophy; CCA)という病型があります。
CCAは、成人で発症しゆっくりと進行する小脳性運動失調を呈し、家族歴がなく、二次性小脳失調症を来す原因もなく、画像診断で小脳萎縮のみを呈する疾患の一群として臨床診断されています。実際には、一部は遺伝性SCDや自己免疫性小脳失調症などの二次性失調症が含まれています。また当初はCCAと診断されていても最終的には多系統萎縮症と診断される場合も少なくありません。そもそも、CCAの用語自体は欧米ではほとんど用いられていません。CCA は疾患特異的な診断マーカーがなく、十分な除外診断の後にたどり着くべき病態です。
CCAは病理診断名(小脳-下オリーブ核系の変性)ですので、CCAを包括するより厳密な疾患概念として、臨床診断名として特発性小脳失調症(idiopathic cerebellar ataxia; IDCA)と言い換える場合もあります。