脊髄小脳変性症は、小脳とそれが関連する神経系統の障害を起こし、 体幹のバランス障害や手足の運動障害、 呂律の障害(構音障害)などを表す疾患の総称です。

本邦の脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration; SCD)の患者さんの数は約4.5万人、(そのうち多系統萎縮症(multiple system atrophy; MSA)は1.2万人)と推定されています。

SCDの約1/3が遺伝性残りの2/3が孤発性であり、 孤発性の約2/3がMSAと報告されています。MSAを除いた孤発性SCDは皮質性小脳萎縮症(cortical cerebellar atrophy, CCA)と分類されてきましたが、 その中には色々な疾患が含まれます。CCAは病理診断名ですので、臨床診断名として特発性小脳失調症(idiopathic cerebellar ataxia, IDCA)と言い換える場合もあります。 また、本邦では痙性対麻痺も(行政上は)脊髄小脳変性症の中に分類されています。脊髄小脳変性症には非常に幅広い疾患が含まれ、 診断の困難な疾患も多いです。また多彩な症状を呈し、 対処法も症状によって様々です。

常染色体優性遺伝性の脊髄小脳変性症脊髄小脳失調症(spinocerebellar ataxia; SCA)と呼ばれ、多数の異なる疾患が包含され、それぞれ原因遺伝子・配列が知られています。疾患ごとにさまざまな病態がありますが、脊髄小脳失調症1型(SCA1)やマシャド・ジョセフ病(MJD)/SCA3のように、三塩基繰返し配列の異常伸長によって発症する疾患群(=トリプレットリピート病 triplet repeat disorders)が頻度のうえでも多くを占めています。

トリプレットリピート病 はゲノム遺伝子内にある3塩基反復配列の異常伸長を病原性変異とする疾患の総称であり 脆弱X症候群(5’非翻訳領域内CGGリピート伸長)、ポリグルタミン病(翻訳領域内CAGリピート伸長)、筋強直性ジストロフィー(3’非翻訳内CTGリピート伸長)、Friedrich失調症(イントロン内GAAリピート伸長)などが含まれます。

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