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小脳の働き
橋の後ろに位置し、様々な感覚器からの情報を統合して、自動的にスムーズな運動が行われるように運動神経へと出力することが小脳の働きです。
英語で大脳はcerebellum(セレベラム)、大脳はcerebrum(セレブルム)とlとrの発音の区別が必要です。
小脳は4層構造
・小脳皮質(情報処理を行います)
一番外側から分子層→プルキンエ細胞層→顆粒層
皮質の内側(=一番内側)が髄質(白質)です。
小脳と大脳の情報伝達
・小脳皮質の唯一の出力細胞は、プルキンエ細胞です。
GABAを神経伝達物質とする抑制性ニューロンです。
・顆粒細胞はプルキンエ細胞樹状突起への入力を行います。
一番内側が白質です。小脳核(灰白質)が小脳髄質(白質)の中に埋没しています。
発生的に古いものから順に内側より外側に配列します。
すなわち内側より外側に向かって
室頂核→球状核・栓状核→歯状核
小脳出血は上小脳動脈の灌流域である歯状核を中心として起こることが多いです。
小脳失調は病変側と同側に生じる
これは延髄で交差する錐体路に対して、橋小脳路は橋のレベルで交差して接続しているため最終的には、小脳と支配筋肉が同側となるためです。
小脳の真ん中にある位置する虫部の障害では、体幹失調を生じます(体の真ん中の失調)
変性疾患と小脳変性
CCA 小脳皮質プルキンエ細胞の変性・萎縮が主たる病理変化
多系統萎縮症 小脳求心系萎縮(CCAとは対称的)
広くプルキンエ細胞、橋核、下オリーブ核の神経細胞の変性・脱落に加えて橋横走線維や橋小
脳線維(中小脳脚)の変性を特徴とする。
SCA6 CCAと同様にプルキンエ細胞・下オリーブ核の選択的萎縮
SCA3 小脳皮質は比較的保たれる傾向があります。小脳白質の変性・脳幹萎縮がみられます。