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COVID-19治療薬
COVID-19治療薬は
①ウイルスの侵入を防ぐ:カシリビマブ イムデビマブ(ロナプリーブ)/ソトロビマブ(ゼビュディ)
②ウイルスが増えるのを抑える:レムデシビル(点滴)/モルヌピラビル(ラゲブリオ)/ニルマトレルビリ・リトナビル(パキロビット)
③ウイルスによる炎症を抑える:デキサメタゾン/バリシチニブ/トシリズマブ
に分類できます。
このうち③は軽症例や発症早期には投与しません(③は免疫調整薬)。
①は抗体療法と呼ばれ、オミクロン株にはあまり効果が乏しいといわれています(変異のため)。
②の経口の抗ウイルス薬は初期のウイルス増殖期に使用します(酸素濃度低下がないケース)。②を中心に本日は解説します。
新型コロナウイルス 経口薬の作用機序
新型コロナウイルスは細胞の中にAC2受容体を介して侵入してきます。侵入したウイルスが自分のウイルスRNAをヒトの細胞の中で増やして、その際にRNAポリメラーゼを介して自分のRNAを増やします。そのRNA(ポリメラーゼ)を翻訳して、ウイルスの構成成分である蛋白質を作っていきます。
経口薬は
①RNAポリメラーゼを阻害 ラゲブリオ
②3CLプロテアーゼを阻害 パキロビット (塩野義製薬も新規薬開発中)
の2つに分類されます。
陽性者全員には投与の必要が無い
経口薬は対象はすべて
重症化リスクがある症例/ワクチン未接種者
となります。治験は軽症者を対象に行われています。
まずはパキロビットを検討する
パキロビットは臨床試験において89%の重症化を防ぐ効果が示されています。
ラゲブリオは30%にとどまります。催奇形性の問題あり、妊婦は投与が禁止されています。
パキロビットの問題
1)薬剤相互作用
220210 パキロビッド承認プレス (mhlw.go.jp)
2)腎機能障害
eGFRが30未満では投与不可
eGFR30-60では減量して投与することになります。(ニルマトレルビル錠1回1錠(150mg)、リトナビル錠(100mg)1回1錠を同時に1日2回、5日間服用)
eGFR60以上(かつ成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児)ではニルマトレルビル錠1回2錠(300mg)、リトナビル錠(100mg)1回1錠を同時に1日2回、5日間服用します。