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記事のポイント
インフルエンザワクチンは接種2週後~5ヶ月後まで効果がある。接種時期は遅くとも12月中旬までに完了するのがよい。死亡率を82%阻止する効果が期待できる。
インフルエンザワクチン対象者
季節性インフルエンザは冬から春にかけて流行します。
インフルエンザワクチンはA型2種類とB型2種類が含まれている4価の(不活化)ワクチンになっています。
2015年に生物学的製剤基準に一部変更があり、ワクチンに含まれている総たんぱく質含有量上限が引きあげられ、4価となりました。
インフルエンザワクチンは生後6ヵ月以降から接種可能ですが、定期接種対象者以外は任意接種となります。
定期接種の対象者は
・65歳以上の方
・60~64歳で呼吸器・心臓・腎臓に機能障害を有する方(臓器機能障害)
・60~64歳でHIVによる免疫機能障害の方
なお、接種後2日以内に発熱、全身性発疹などのアレルギーを疑う症状があった場合は、翌年以降は接種不適当となります。
卵アレルギーのある人の場合
卵アレルギーのある人の場合、接種要注意者となりますが、接種不適当者とはなりません。
鶏卵の尿膜腔でウイルスを増殖させており、極めて微量の卵蛋白が含まれていますがWHO基準よりはるかに少ないとされています。
米国では卵アレルギーのある人でもインフルエンザワクチンの接種は安全である、とされており、本邦においては卵加工食品でアレルギーがない場合は接種を勧めてもよいと考えられています。
インフルエンザワクチンの効果
厚生労働省の報告では、高齢者福祉施設に入所している65歳以上の高齢者については、発病を34~55%阻止し、死亡を82%阻止する効果があったという報告があります。
6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの研究では、発病予防率は60%であったと報告されています。
接種後の免疫については(個人差が大きいのですが)、接種2週間後から効果があり、接種後5ヶ月程度まで持続するとされます。
最適接種時期としては12月中旬までの接種完了が望ましいとされます。インフルエンザは通常12月末から翌年3月までに流行することが多いためです。
接種間隔
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの投与間隔に規定はありません。
なおインフルエンザワクチン以外のワクチンと新型コロナワクチンは13日以上の間隔をあけます。
妊娠されている方への接種
産婦人科診療ガイドラインで妊婦へのワクチン接種は予防に有効であり、母体及び胎児への危険性は妊娠全期間を通じて極めて低いとされています。
参考文献
インフルエンザHAワクチン2023年版Q&A アステラス製薬株式会社