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Gilman ギルマン の診断基準
多系統萎縮症の診断基準(Gilmanの改訂診断基準)では、運動失調症やパーキンソン症候群などの運動機能障害に加え、排尿障害や起立性低血圧などの自律神経障害をともに認めることが必要です(ポイントとしてMSAの自律神経症状は排尿障害→起立性低血圧の順で出現します)。しかし、多系統萎縮症の病初期には、運動機能障害もしくは白律神経機能障害のいずれか一方のみを認めることが多く、両者をともに認めるようになるには平均2年程度を要するとされます(経過で明らかになってくることもあります)。
自律神経障害の一つである起立性低血圧の診断基準を満たすためには、尿失禁(排尿コントロール不能、男性は勃起不全を伴う ×尿閉 しばしば前立腺肥大と言われます)または起立後3分以内の収縮期血圧30mmHg以上もしくは拡張期血圧15mmHg以上の血圧低下が必要です。
そのため、現在の診断基準を用いた初回診断時の陽性的中率は、疑い例で95%、ほぼ確実例で100%と非常に高いですが、初回診断時の感度は、疑い例で41%、ほぼ確実例で18%とかなり低くなっています。
ポイント
・多系統萎縮症というには立位3分以内の血圧低下をチェックする
・発症して2年くらいは起立性低血圧ははっきりしないこともある。
・自律神経症状は、排尿障害→起立性低血圧の順に出現します。