MRIとCT

MRIはCTと比べて圧倒的に多くの情報を得ることができます。認知症の診断のためには可能な限りMRIを撮影することが望ましいです。

核医学検査(SPECTとPET)の違いについて

放射性同位元素(ラジオアイソトープ)を結合した核医学製剤を体内に投与します。製剤が放出するガンマ線の体内分布をシンチカメラを用いて体外から計測・画像化します。

ガンマ線はCTなどで用いられるX線よりもエネルギーの高い放射線を用いています。

核医学製剤に標識するラジオアイソトープは、大きく陽電子放出核種とそれ以外のガンマ線放出核種に分類されます。(陽電子は放出されると直ちに高いエネルギーのガンマ線を放出します。)核医学検査はsingle photon emission computed tomography (SPECT) positron emission tomography (PET)に大別されます。陽電子放出各種はPETで撮像され、それ以外の核種を使用した場合はSPECTにて撮像されます。
PETの放射線薬剤は半減期が非常に短いので自前で検査前に薬剤を作る必要があり、サイクロトロンが必須となります。PETは日本では認知症の診断に保険適応となっていません

SPECTにおける減弱補正の問題

SPECTでは内部から放出されるガンマ線が減弱してしまうので、補正を行う必要があります。画像補正としてChang法が汎用されますが、補正した際に前頭葉の血流が過大評価されてしまうことがあり、注意が必要です。

脳血流SPECT製剤の差異

脳血流SPECTで保険適応となっている脳血流用法社製薬剤はIMP・ECD・HMPAOがあります。ECDとHMPAOは投与直後より撮像、IMPは15分おいてから撮像します。
ECDでは他の製剤と比べて相対的に前頭葉の血流が低下、HMPAOでは小脳に強く集積するという特徴があります。

画像統計解析法について

①3D-SSP統計画像解析 ②SPMを基本としたeZIS統計画像解析 に大きく分けられます。形態の異なる個々の患者さんの脳機能情報を、個人差を是正した標準脳のテンプレート(鋳型)に併せて脳データ変形を行い、形態を一致させます。その上で、各ボクセル値が健常者平均と比べ何標準偏差異なるか(低下しているか)ということを画像化したZスコア像での評価を行います。
読影の基本はオリジナル画像であり、統計画像はあくまでも補助的に用いる必要があります。

MRIでも同様の手技を用いて統計画像を評価することができます。
患者脳を標準化させることで(Voxel-based morphometry; VBM)、年齢をマッチさせた正常者の群と海馬傍回の脳萎縮程度を比較する(=海馬の萎縮の程度が健常者と比べてどのくらい進んでいるかを数字で表示できる)VSRADという方法があります。

VSRADの注意としては数字のひとり歩きに注意する必要があります。

VSRADは本来自施設のデーターベースを使用すべきで、備えつけのデーターベースを使うと正しく評価ができない可能性があります。

早期アルツハイマー病では後部帯状回や頭頂連合野の代謝・血流が低下することが指摘されています。

アミロイドイメージング

アルツハイマー病では大脳灰白質を中心にアミロイド沈着がみられることが知られています。アミロイドPETはアミロイド病理を可視化することができ、超早期のアルツハイマー病診断に有用であると考えられます。

アミロイドPET検査は、認知症やアルツハイマー病に関する十分な知識と経験を持つ専門医師がオーダーする必要があります(認知症関連学会の研修を終了する必要があります)

適切な使用のため①臨床症状が非典型的 または②発症年齢が非典型的(65歳未満の発症)が検査対象であり、適切な治療のために確定診断を要する認知症症例に限り、典型例や進行した重度の認知症症例、あるいは自覚的な物忘れなどを訴えるが客観的には認知機能障害を認めない例は対象外となります。アルツハイマー病の重症度判定に使用するのは適切ではありません。

アミロイドPETの持つ意味としては、陽性だからアルツハイマー病とは限らず、正常高齢者の約20%にアミロイド沈着がみられます。陰性ならアルツハイマー病は否定できます。アミロイド沈着は症状がでる15-20年前よりはじまるとされます。レビー小体型認知症でも半数でアミロイド沈着を認めます。

保険診療の対象外であり、自由診療でもアミロイドPETの検診は行うことができません。

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